おやすみなさい、ジョブズ

有名人の訃報を聞いても、それほど自分が影響を受けた記憶がない場合にはあまり気にならないのが普通だと思う。特にそれが外国人の場合には。

スティーブ・ジョブズの場合には、例外であることに訃報に接して初めて気づいた。思い起こせば、自分がコンピュータに興味を持ったとき、すでに世の中にはAppleIIはあったし、スティーブもウォズも時の人になっていた。さすがに高校生の時分に高級なAppleを買うことはままならず、シャープのMZ80Cをローンで買うのが精一杯だった自分にはAppleは憧れのPCのままであった。

その後時は流れ、日本のPCはNECが席巻していた時代、Macintoshに出会った。すでにもうなくなってしまったMACLIFEという雑誌で自分はライターをやっていた。自宅にはSE/30やらIIciがあった。ある時期までMacintoshは日本では素直に売れていたと思う。LCとかIIsiとかの路線でおかしくなっちゃったけど。すでにAppleから放逐されていたジョブスが帰ってきたのはNeXTかBeOSにするかでAppleの次期OSを云々していたころだったか。個人的にはBeOSオシだったがw、まぁNeXTも悪くはないなぁ、なんてのほほんと思っていた。

Windowsに転んだ自分は、それでも仕事上ではMacintoshやAppleに接する機会はいくらかあった。今は買収されたMacromediaの招きでサンフランシスコに行ったときや、LasVegasでCESに行ったとき、iTunesが日本でスタートするとき、その後映像配信するときにスティーブになぜか会う機会があった。もちろん言葉を交わすわけではなかったけど、彼を見て「生きてる伝説だよなあ」と思った。特に最後に見かけたのはApple本社に行ったとき。自分がAppleの社食でピザを買う横にいた。彼がスシを買っているのを見て「ジョブズはスシが好きなんだw」と思ったのがついこないだのような気がする。

彼の発明した、というかコンセプトメイクしたモノは世の中に受け入れられたものが最近では多いから確かに印象はいい。だが、その前にたくさんの失敗を見たからこそ、彼が最後まで「仕事をした人」なんだ、と強く感銘を受ける。

あきらめなかった強さこそ、ジョブズのすごさだと強く感じる。自分は彼にはなれないが、少しでも近づきたい。RIP

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